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育休を取得したパパ2人が語る!家族との時間を大切にする働き方とは?

『男性育休元年』と言われた2022年。男性がより育児を担いやすい社会を目指して、育児・介護休業法が改定されました。

日本の男性の育休取得率は、2022年で過去最高となる17.13%(厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」より)を記録し、年々増加傾向にはあります。しかし、国際的にはまだまだ低い水準となっており、制度の認知が低いことや職場が育休取得できる雰囲気でないことなどが課題として挙げられています。

GMOアドパートナーズでは、女性の産前産後休暇・育児休暇はもちろん、男性の育児休暇の取得を積極的に推進しています。

今回は、育休を取得したパパさんパートナーのお二人に、育休当時の様子や育休を取得して感じたことについてお話を伺いしました。

【プロフィール】
五十嵐 慧(いがらし けい)
(写真左)
GMO NIKKO株式会社 マーケティングソリューション本部 ブランド戦略部
シニアマネージャー
育休取得期間:1ヶ月半(計2回)

天野 真介(あまの しんすけ)(写真右)
GMOアドマーケティング株式会社 事業統括本部 社長室
リーダー
育休取得期間:1ヶ月

産休・育休の制度とは?

「産休」「育休」は法律で定められている休業期間です。

産休とは、産前休暇および産後休暇のことで、出産や育児のために仕事を休める制度のことです。出産前の準備期間に休む「産前休業」と、産後、体を回復させるために取る「産後休業」のことを合わせて産休と呼びます。労働基準法で定められた、出産するすべての人が取得できる制度です。

育休とは、育児休業のことです。子どもを育てるために仕事を休業できる制度です。産休とは違い、女性だけでなく男性も取ることができます。

GMOアドパートナーズの男性パートナーにおける育休取得率は70%、育児休暇取得日数は平均62日(2022年度実績)と、いずれも平均よりも高い数値となっています。

▪️男性の平均育休取得率:17.13%
 ー厚生労働省「令和4年度(2022年度)雇用均等基本調査」より

▪️男性の平均育児取得日数(平均):43.7日
 ー経団連「男性の家事・育児」に関するアンケート調査結果(2023年6月5日)」より

育休取得のきっかけと取得前の不安

ーお二人が育休をとろうと思ったきっかけを教えてください

天野:私は、妻の一言がきっかけでした。元々妻が産休に入る時点で、「育休取るの?どうするの?」と言われていました。しかしその時は、「どうしようか……」という感じで、取得することを決め切ってはいませんでした。

しかし、保育園に入園するタイミングで、「ちょっと休憩したいな」と妻から言われ、急ぎ調べたところ(※)パパママ育休プラスという制度がギリギリ間に合うということを知りました。制度が使えるなら「取るしかない!」と決断し、急遽決めました。

(※)パパママ育休プラスとは・・・夫婦が協力して育児を行うことを目的として、制定された制度。両親がともに育児休業を取得する場合、原則子が1歳までの休業可能期間が、子が1歳2か月に達するまで延長可能。

五十嵐:私は、あと6ヶ月程度で子供が産まれるというタイミングで、夫婦間で自然と「育休どうするの?」という話が出ました。取得を決意したのは、純粋に色んな人に共感したかったからです。妻に対してもそうですし、社内のメンバーに対してもです。

私の家庭の場合は今回が第一子だったので、妻も「母親1年生」です。育児に対してわからない事だらけの時に「一緒に考え、悩んで、一緒に答えを出す」という子育てを二人で楽しく、共に一喜一憂したいという想いがありました。

また、社内のメンバーに対しては、私が上長として育休を経験する事で、自部署のメンバーは女性男性かかわらず、育休が取り易くなるかなと思ったからです。ちょうどその頃、社内でも男性育休促進に力を入れているタイミングだったこともあり、最終的には妻と二人で相談し、取得を決めました。

天野:五十嵐さんが育休を取得すると聞いて、奥さまは喜ばれたんじゃないですか?

五十嵐:そうですね!私自身、取得したからこその「気づき」もたくさんありました。妻にも自分の時間を作ってあげることができたんじゃないかなと思っています。面と向かって「育休を取ってくれてありがとう」と言われた訳ではないですが、「良かった」と思ってくれているといいなと思います。

ー五十嵐さんの場合、育休を2回取得されています。最初から2回取得することを決めていたんですか?

五十嵐:いえ、最初は決めていなかったです。育休制度が存在することは知っていたのですが、恥ずかしながらいざ子供が産まれるまで、いつ・どのタイミングで・どれくらい取得できるのか、全く知りませんでした。しかし、育休1回目の取得前に人事から2回取得できるという話を聞き、「じゃあ2回取得しよう」と決断しました。

保育園に入園する直前の3月が、妻と子供と3人で過ごせる最後のタイミングだと思い、出産後の妻のご両親のフォローがなくなるタイミングで1回目を、その後保育園入園直前に2回目を取得しました。

天野:私は保育園入園直前に取得したのですが、子供とのコミュニケーションも少し取りやすくなってきて、あのタイミングに休職して良かったなぁと思います。


ー取得すると決めてから実際にお休みするまで、不安はありましたか?

天野:私が育休を取得した当時は、男性パートナーの育休の事例がありませんでした。そのため「育休を取得したいです」と伝えた時に周囲のメンバーがどんな反応をするか正直不安もありました。しかし、上長に制度の概要を話してみたところ、快く受け入れてくれました。

五十嵐:私の場合は、佐久間社長はじめ上長が、管理監督者の男性パートナーが育休を取ることにとてもポジティブだったため、「ぜひ取得して!」という雰囲気でした。また、同じタイミングで別部署の本部長にお子さんが産まれ、その方も育休を取得したので、とても恵まれたタイミングでお休みすることができました。

天野:シニアマネージャーの職位で育休取得するとなると、業務の調整が大変ではありませんでしたか?

五十嵐:休職中も何かあった時は相談してもらえるような体制を整えて、休職に入りました。また「ここは部署のみんなに任せる」と決めた部分もあったと思います。休職中、実際にチームメンバーからの相談もあったのですが、リアルタイムで反応できない場合がある旨をあらかじめ伝えていたので、他のメンバーが期待以上に巻き取ってくれました。自分がやらなくても、メンバー同士で協力して対応してくれるんだという気づきもありました。

ー天野さんは、育休取得当時、チーフ職だったと思いますが、今後のキャリアを考えた時に「休職がマイナスになるかも……」と考えたことはありませんでしたか?

天野:1ヶ月間の育休で今後のキャリアに影響するくらいなら、自分はそこまでの能力しかないんだなと思っていました(笑)。私は、逆に上のレイヤーの方が取得しづらいのではと思います。だから、五十嵐さんがシニアマネージャーで育休取得したというのはすごいなと思いました。
今後もし子供が産まれたら、半年くらいお休みをいただきたいと思っています。復職してからパフォーマンスを出すことができれば、昇格には響かないと感じています。

五十嵐:たしかそうですね!私も、育休を取得したことで自分が望む方向に進む機会を失ってしまうなら、役職を問わず、自身の会社でのレベルは所詮そんなものなんだと思っています(笑)。

育休期間の「気づき」

ー育休中の育児・家事の分担はどうしていましたか?

五十嵐:妻は「私の代わりに育児をしてほしい」というよりは、「共感してほしい」という思いが強いと感じていたので、「一緒に」育児をしていました。育休に入るまでは、恥ずかしながらミルクの作り方も、育児用品は何がどこにあるのかすらわかっていない状態でした。育休期間を経てやっと妻の指示なしで対応できるようになりました(笑)。

私を見て、きっと妻は「よかったと思ってくれたと思います。私が知らない家事を妻はたくさんしてくれていると思いますが……。

天野:私はもともと家事をする方でした。むしろ妻よりやっているかもしれません。育休を取得した際は、すでに子供が生まれてから1年が経過しており、夜泣きの対応も私1人でできる状態でした。そのため、育休中は妻の負担を減らすことができるように動けていたと思います。五十嵐さんのご家庭では、料理はどうしていますか?

五十嵐:もともと料理が好きで、子供が生まれる前から私が作ることもよくありました。それもあって、市販のものには頼らず子供の食事も作ろうとしたんですが……。

負けました(笑)。私が作った食事は残すのに、市販の離乳食はよく食べるんです!「市販ってすごいな」と思いました。今の市販の離乳食は種類も豊富で、子供にも手作りご飯を出してあげたいと思っていたのですが、「手作りじゃないといけない」という文化はいらないと感じました。

自分の作った食事の方が美味しいのに、「なんで食べないの!?」とは思いますけどね。余ったものは自分で食べています(笑)。

天野:私は、第一子だからということもあるかもしれませんが、お皿投げられたり、「ギャー」と言っているのを見ると、新鮮で可愛いな、面白いなと思って子供を見ることができています。

ー五十嵐さんが先程、育休をとったことで「気づき」があったとおっしゃっていましたが、具体的にはどんなことですか?

五十嵐:2点あります。一つは、授乳以外は男性も全てできるということです。これは助産師さんに言われてハッとしたのですが、たしかにその通りだなと感じました。食事を作ることも、オムツ替えも、お父さんがやれない、やらない理由がないんですよね!私もまだ父親一年生なので引き続き何事にもチャレンジしたいと思っています。

二つ目は、ワンオペは本当に大変ということです。1人で子供の面倒を見ながら、業務をすることの難しさを痛感しました。育休明けに偶然、私が1人で子供を面倒見るタイミングで、社内ミーティングに参加した時のことです。会議の途中で子供がぐずり泣きしてしまったので、抱っこしたのですが……両手が塞がってしまい、ミュート解除ができず、結局最後まで会話に入れることができませんでした(笑)。

GMOアドパートナーズには、普段から子育てをしながら業務をしてくれている仲間が沢山います。そんなメンバーを改めてリスペクトしますし、もっと配慮が必要だなと改めて感じました。

復職後の変化と育休に対する想い

ー育休からの復職後、大変だったことはありましたか?

天野:仕事面では、周りのメンバーもすぐ受け入れてくれたので、大変だと感じたことはなかったです。ただ一方で、私は子供が1歳を過ぎてから育休を取得したので、子供も少し喋ったり、自分の意志が出てきている時期でした。そのため1か月間「パパ!」と呼ばれたら、すぐに駆けつけてあげることができる生活だったにもかかわらず、復職後は子供に呼ばれても「リモートワーク中だから待ってね」という返事に変わったことに対して、子供がストレスをに感じていないか心配になりました。

五十嵐:私は2回目の復職から1ヶ月経っていないのですが、若手メンバーとの時間軸が異なると感じています。会食がない時はできる限り早く帰って家族の時間を取ろうと思っているため、「あとちょっと仕事したい」「この後軽く飲みに行く?」ということが難しいなと思っています。

時短で働くメンバーも、同じような気持ちを私よりも強く感じているのだろうなと思います。現在、自分の部署内に時短メンバーはいないものの、そのような気持ちにどこまで共感してあげられるのか不安に思いました。

妻が復職したら働きながら保育園の送り迎えをすることになるので、より感謝を伝えてなきゃいけないと思っています。


ーこれから育休を取得する人の皆さんへのアドバイスがあれば、お願いします!

天野:不安に思うことは何もないと思います!仕事と育児の両立ができるよう会社の制度は整っていますし、自分が考えているよりも周りのメンバーは受け入れてくれます。実際に、復職後も育休がマイナスになったと感じたことは1つもありませんでした。家族の時間は今しかない貴重なものだったと感じているので、可能な限り活用してほしいです。
私の育休取得がこれから「育休取得したい」と思っている人の背中を押せるといいなと思っています。

五十嵐:私は育休を取得してほしいと思っています。経営陣も「育児のできる環境を整えていきたい」と言ってくれています。私は管理職として、取得する本人たちが不安にならない環境を整えて、サポートして促進していきたいなと思っています。

小さな言葉一つで、本人が「休んではいけない」「歓迎されていない」と感じてしまうんですよね。周りも制度を理解して全メンバーがより働きやすい環境になったら良いなと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は育休を取得したパパさんパートナーの五十嵐さん、天野さんにお話を伺いました。

男性パートナーの育休取得について、こちらの記事もあわせてご覧ください。

Text & Directed by.Momoko Aoyama



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