映像ディレクターが大切にする「クライアントへの想い」
今回はGMOアドパートナーズの連結会社であるGMO NIKKO クリエイティブ本部ムービーラボで活躍する、松井さんにお話を聞きました。
ムービーラボの仕事
ークリエイティブ本部について教えてください。
クリエイティブ本部には21人のパートナー(社員)が所属しています。顧客ブランドと生活者との架け橋になるコミュニケーションを作ることに特化した部署です。キャンペーンやWebサイトなどの企画立案・提案をおこなうクリエイティブ部、そしてインターネット広告を主軸とした動画領域を担うムービーラボの2つのチームで構成されています。
2017年、もともとGMO NIKKOにあったクリエイティブ部に、動画制作を強みとしていた株式会社シフトワンがグループジョインし、ムービーラボを立ち上げました。ジョインして4年が経ち、現在はクリエイティブ部とムービーラボで活発にコミュニケーションをとり、案件の事例共有や各チームの情報共有を実施することで連携強化を図っています。そうすることで、お互いの強み・ノウハウを学び提案の幅が広がりより立体的な提案をおこなう機会が年々増えていますね。また、業務以外ではランチ会を通じてコミュニケーションを深めています。
ームービーラボではどのような動画を制作していますか。
映像表現としては出来ないものがないぐらい、多様な技術を駆使して制作しています。撮影からおこなう実写動画、イラストを使ったグラフィックス、最近では3Dキャラクターを扱ったVTuberの映像も制作しています。
配信媒体でいうと、やはりYouTubeやSNSが多いです。中でもYouTubeのTrueView広告(※)では、これまでの動画制作の実績をもとに、全ファネルに最適化した動画クリエイティブにおいて、GMO NIKKO独自のロジック要素を確立し、多くの提案に導入しております。
最近ではYouTubeチャンネルを通じて、ブランドやサービス認知をおこなったり、ファン獲得を強化しているクライアントも多く、社内インフルエンサー部と一緒に提案する機会もありますね。
ークライアントはどのような業界が多いですか?
最近はエンタメ業界への提案機会が増えてきていますが、基本的に業種の偏りはないですね。GMO NIKKOが業種特化戦略として注力している、エンタメ業界、教育業界、金融業界、旅行業界だけでなく、食品業界や化粧品業界など幅広く提案しています。携わる業界が広いので、日々クライアントのサービスやその業界について勉強しています。
インターネット広告代理店×映像制作
ーインターネット広告代理店で映像を制作する魅力を教えてください。
私はもともと制作会社にいたのですが、一番の違いは「決まったものを作るのではなくゼロから形に落とし込めること」でした。動画制作だけでなく企画にも携わることができるので、まだ可視化できていないクライアントの要望、伝えたいことを自分の感性や思い描いたアイディアを活かして映像で具現化する事ができます。ものづくりのわくわくする感情を大人になっても感じられるのは貴重だと思って仕事をしています。
ー大変だと思うことはありますか?
幅広い業界の様々なクライアントに提案しているので、クライアント理解を深めることが大変ですね。クライアントも、自分たちの会社のことをよく理解してくれている人から提案を聞きたいはずです。そのために、企業理解だけでなく、過去に取り組んでいたプロモーション、これからやっていきたいこと、最近のトレンドなど、しっかり準備をしてから提案に挑むようにしています。
今まで興味のなかったことや関わったことがないサービスを学ぶときは事前準備が大変ですが、クライアントに寄り添った提案をするためには大切なことだと思っています。クライアントに寄り添うことは、今まで培った知見や経験だけでなく自分の努力次第でまかなえるものなので、しっかり時間をかけて取り組んでいます。
ー松井さんがやりがいを感じたエピソードを教えてください。
私がゲームアプリのプロモーション動画の制作を担当したときのエピソードなのですが、正直に話すと大変なことが多かったです。制作期間がタイトだったり、提供していただく予定だった素材が制作に間に合わずゼロから考え直して制作したり、映像コンセプトを定めるためにクライアントと何十回も打ち合わせしてはデザインや演出を一から考え直したり……。当時は残業が続いてしまい、終わりも見えなくて辛かったです。ですが、クライアントのアプリへの思いと、そのリリースを必ず成功させるという熱意を打ち合わせを通して直に感じていたので、絶対に妥協したくないという思いで制作しました。
その努力が実り、各所に評価される動画を納品することができました。その時は大きな達成感を味わいました。そして何より嬉しかったのは、クライアントのご好意でアプリ内のクレジットに私の個人名を載せていただいたことです!本来なら社名表記になるのですが、ここまで一緒になって頑張ってくれたので、と言ってもらえました。その動画内に自分の名前を見たときは、この仕事を続けていて本当によかったと泣きそうになりました。
ークライアントに寄り添い、同じ想いで制作に携わったからこそのエピソードですね!松井さんは動画制作のときに意識していることはありますか。
作り手のエゴを入れないことですね。
つくった映像は視るのはユーザーです。私は「ユーザーに興味関心を持ってもらえるか」「いかに動画で人の心を動かせるか」が大事だと思っています。制作者の選り好みでつくられたものは、どんなに見栄えが良い動画でもありきたりで、世の中の動画に埋もれてしまいます。「なぜこのような表現なのか」、私たちクリエイターの感性に対してすべてに理屈と根拠を持たせて説明できるクリエイティブにすることを心がけてます。
そして「自分は天才かもしれない」と時々自己肯定をしながら仕事をすることも精神衛生上大切なので意識しています(笑)。
ムービーラボの魅力
ームービーラボの魅力を教えてください。
ムービーラボの魅力は動画制作だけでなく企画立案のスキルやディレクションスキルを学べる環境です。同じ部のクリエイティブ部と連携する中で、メンバーから刺激を受けたり、実際に教えてもらっています。動画制作のスキルだけでなく、ディレクターとしてスキルアップできる環境がムービーラボの魅力だと思います。
これは市場感になりますが、インターネット広告も動画が主流になっているので、動画の配信面や表現方法は日々変化しています。表現方法は何がトレンドか、広告として有効なのものは何かをキャッチアップしながら、どんな動画を制作していくか考えています。成長市場ならではのスピード感も魅力の一つだと思います。
ー松井さんが映像ディレクターに必要だと感じるスキルを教えてください。
映像制作のスキルだけでなく、クライアント理解のために努力できることが大切だと思います。以前は制作だけをおこなうことが多かったですが、今は制作だけでなく提案する機会も増え、ディレクター要素が強くなっています。ただおもしろそう、こんな動画を作りたいという思いだけで提案するのではなく、根拠を持って動画提案ができるようにならないといけないと思います。
ムービーラボでは動画表現のテクニカルの部分だけでなく、ブランディングの戦略・戦術などの知識も勉強しています。極端に言うと、自身で動画制作ができなくても、トレンドや今どのような動画が求められているか理解したり、何をもって制作した動画かを発信するスキルの方が大事だと思います。動画制作ができる人は制作会社にごまんといるので、インターネット広告代理店の映像ディレクターとしてそれ以上のことができると良いと思います。
そして、自分がいいと思うもの、伝えたいことをどう表現するのかを考えるプロセスを楽しめることも映像ディレクターとして必要なスキルだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回はGMO NIKKOの映像ディレクターにインタビューしました。
現在、GMO NIKKOでは事業拡大にともない、新たな仲間を募集しております!皆さまのご応募をお待ちしております。