入社半年で社内AIチャットボットをリリース! 新卒エンジニア2名が挑んだ「tomoc」開発ストーリー
2024年度新卒パートナーが入社してから約半年が経過しました。新卒研修後、さまざまなプロジェクトに携わっている新卒パートナーに10月にリリースした、社内AIチャットボット「tomoc(トモック)」の開発の裏側についてお話を伺いました。
ー改めまして「tomoc(トモック)」のリリースおめでとうございます!まずは、tomocについて教えていただけますか?
嘉山:ありがとうございます!tomocは、社内の規程や制度、各種申請方法に関するご質問にお答えできる社内AIチャットボットです!
ーなぜ「tomoc」を作ることになったのか背景を教えてください。
樋笠:GMOアドパートナーズ連結のパートナー(社員)の皆さんが、社内制度などの情報にもっと簡単にアクセスできるようにしたいというのが大きな理由です。
GMOアドパートナーズにはさまざまな福利厚生や制度がありますが、それらの情報をどこで確認すればいいのか分からず、探すのに時間がかかっていました。担当部署に問い合わせるのもハードルが高いと感じる方が多い中で、「だったらAIに聞いた方が楽なんじゃないか」と思い、社内AIチャットボットを開発することになりました。
約2ヶ月でリリース!スピーディーな開発を可能にしたのは〇〇だった
━ どのようなフローで開発したのか、具体的に教えてください。
樋笠:はじめに要件定義をおこない、その後に使用する機能を選定し、実際の開発へと進みました。上長とともに、「誰が・いつ・どんなふうに使えるようにすべきか」といった要件を洗い出し、それに適した技術を選定しました。決定後に実際に手を動かして開発を進めました。
嘉山:「tomoc」の場合、使いやすさを重視するだけでなく、データ運用者の負担を減らすことを念頭において、最終的にSlackとGoogleドライブを採用しました。社内ポータルサイトに検索窓を設置する案もありましたが、検索の容易さを求めて結果的にSlackに着地しました。
━開発期間はどのぐらいだったんですか?
嘉山:トータル2ヶ月弱ぐらいですね。
ーわずか2ヶ月ですか!?
樋笠:そうですね。実際、もともと使用するデータがきちんと蓄積されていたという点が短期間で実装まで達成することができた大きな要因です。
社内制度のデータはGoogleドライブに保存されているのですが、これがなければ「tomoc」は回答ができません。迅速な実装が可能だったのは、これまでデータを整理してくださっていたパートナーの皆さんのおかげです。
━では、嘉山さんと樋笠さんが、それぞれ担当していたことを教えてください。
嘉山:僕は、Slackでの質問の仕方や回答の出し方、またデータ記録方法などフロント部分のUIを担当しました。
樋笠:僕はGoogleドライブにあるデータを「tomoc」に読み込ませる部分を担当しました。ドライブには、ExcelやPDFなどさまざまな形式のファイルが保存されていますが、「tomoc」はそのデータを直接読み込むことができません。そのためAIが読みとれるようなデータ形式に変換するといった処理を担当していました。
ーその担当は、どのように決めたんですか?
嘉山:正直覚えていないのですが……(笑)。樋笠がOpen AI APIを率先して調べてくれていたので、気づいたら担当が決まってた感じでしたね。
━「tomoc」の名称は、どのように決めましたか?
樋笠:GMOアドパートナーズのミッション「ともにつくろう」や社内報「AP magazine ともつく」からインスピレーションを得ています。GMOアドパートナーズらしさを出しながら、短くて覚えてもらいやすいものにしました。
嘉山:実は、他の案もあったんです。一発で却下されたのが「トモえもん」でした(笑)。リリース前に、橋口社長にもご報告する機会があったのですが「トモえもんじゃなくてよかったね」と言われましたね。他の案に圧倒的な差をつけて「tomoc」の一人勝ちでした(笑)。
最大のポイントは、ユーザーファーストの設計とシステム構成
━ リリースまでを振り返って、最もキーポイントだったと思うところはどこですか?
樋笠: 最初の設計部分ですね。ユーザーとなるパートナーの皆さんがどこで「tomoc」を使うことが便利かを突き詰めて考えました。
たとえば、Webアプリケーションだと自由度は高いですが、わざわざ使い方を覚えたり、特定のブラウザにアクセスしなければならない点は、ユーザーに使いづらさを感じさせてしまいます。そのため、表現力は少々落ちますが、Slackを採用し、アクセスしやすくしました。
何を選ぶのか絞り込むことが、キーポイントだったと思います。
嘉山:僕も一緒で、開発よりも最初のシステム構成を考えることに1番頭を使いました。類似のものを開発している企業の話を参考にしたかったので、樋笠と2人で「Google Cloud Next Tokyo ’24」に行き、他社がおこなっているRAG(※)のシステムの話を聞きに行きました。
そこでたくさんのヒントを得ることができたのも、大事なポイントだったと思います。
これからが本当の”スタート” 「tomoc」今後の展望は?
━ 今後の展望を教えてください。
樋笠:僕は、tomoc開発で得た知見を社内全体に広めていきたいです。実際に「RAGを使いたい」「作りたい」という話を耳にするので、今回得たノウハウを、パートナーの皆さんに伝えていけたらいいなと思っています。
嘉山:tomocを横展開し、社内だけでなく社外の方も利用できるAIチャットボットを作りたいです。私自身、就活生の頃、気になることを採用担当の方に聞いてメールでやりとりをしていました。
たとえば、そういったやりとりを「tomoc」のようなAIチャットボットで完結させることができたら、便利かつお互いの手間がなくなるので、作れたら面白いなと思っています。
樋笠:そして「tomoc」をたくさんのパートナーに使っていただきたいですね!最初は利用に躊躇するかもしれませんが、パートナーの皆さんからのフィードバックが改善につながると思うので、ぜひ使っていただき、改善を進めていきたいです!
今回は、2024年4月に入社した嘉山さん・樋笠さんに、社内AIチャットボット「tomoc」の開発の裏側について伺いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
GMOアドパートナーズ TECH BOLG byGMOにて、嘉山さんがより詳細に「tomoc」のシステム構成やデータの運用フローについて執筆していますので、あわせてご覧ください。