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デトックスウォーター業務効率化に成功!?ChatGPTで独自のAIモデルを完成

2023年5月11日、半期に1度おこなわれるテックイノベーション「Lightning Talk大会(以下、LT大会)」が開催されました。
大会の様子はYouTube Liveにて生配信され、エンジニア職のパートナーだけでなく、さまざまな職種のパートナーがリアルタイムで視聴し、登壇したメンバーを応援しました。

今回は、先日おこなわれたLT大会で、金賞を獲得したGMOアドマーケティング株式会社 天河さんにお話しを伺いました。

【プロフィール】
天河 京民(てんかわ けい)
GMOアドマーケティング株式会社 開発本部 開発部

2022年4月にGMOアドマーケティング株式会社に新卒入社。
GMO AD Partners AWARDS 2023 新人賞 創る人 エンジニア部門を受賞。
LT大会2023年上期で金賞を受賞した。


エンジニアが主役!LT大会とは?

ーまずはLT大会について教えてください

「LT大会」とは、Lightning Talks(ライトニングトーク)の略です。GMOアドパートナーズ連結企業のエンジニア職のパートナーを対象に希望者が登壇し、技術的なテーマをもとに、各自培ったスキル・知見・経験などについて8分間自由にプレゼンをするイベントです。今回、2023年上半期で第11回を迎えました。

LT大会の様子は、YouTubeでライブ配信され、エンジニア職のパートナーだけでなく、さまざまな職種のパートナーがリアルタイムで視聴してくださいました。LT大会で発表する内容は、技術的な内容であれば普段の自分の業務にかかわらず何のテーマでも発表して良いルールになっています。そのため身近なことをテーマにする登壇者が多いので、非エンジニアの方も楽しんでいただけたのではないかと思います!YouTubeのチャットから応援のメッセージがたくさん届き、とても嬉しかったです。


ーLT大会はどのような基準で受賞が決まるのですか?

賞の内容は開催回ごとに異なりますが、受賞者決定方法は毎回同じで登壇者全員のプレゼンが終わった後、視聴者の全員投票により決定します。今回は、分野を問わず参加者全員の中から金賞・銀賞・銅賞を選ぶスタイルでおこなわれました。

ー天河さんは今回で何回目の出場になりますか?
僕は2022年下期に引き続き、今回が2度目の出場です。出場者は立候補制で決定し、出場頻度に制限はありません。
前回は、僕が大学院で研究していたセキュリティ学習をテーマに発表しました。実際に作ったセキュリティ学習ゲームを、視聴している皆さんにもQRコードで読み込んでもらって、ゲームを体験していただきました。結果、「COMMUNICATOR AWARD(※)」をいただきました。

(※)2022年下半期LT大会の各賞ラインナップ
■MVP AWARD:最も素晴らしいプレゼンをした人
■COMMUNICATOR AWARD:プレゼンにエンタメ的な面白さがあった人
■TECH SPECIALIST:新しい技術を取り入れた発表や自社業務上の取り組み共有があった人

デトックスウォーターの業務効率化への挑戦

ー天河さんが今回発表したテーマについて教えてください

AI(愛)・デトックスウォーター」というテーマで発表しました(笑)。GMO Yoursで人気のカフェメニュー「デットクスウォーター」の有無をリアルタイムで判定するAIモデルを発表しました。

ーどうしてこのテーマを選んだのですか?

まず、デトックスウォーターについて軽く説明させていただきます(笑)。GMOインターネットグループのパートナーはお馴染みだと思うのですが、デトックスウォーターとは、GMO Yoursで提供されている野菜やフルーツ、ハーブなどを水に浸して作るフレーバーウォーターのことです。美肌・疲労回復・腸の活性化などの効果があるそうです。

毎朝9:30と11:00の2回提供されるのですが、早い時では10分〜20分程度で無くなってしまう日もあるくらい人気なメニューです。

デトックスウォーター愛について熱弁する天河さん

ー本当に人気ですよね!

はい。僕もデトックスウォーターが大好きなんです!
デトックスウォーターが飲めた日と飲めなかった日では、仕事の生産性もモチベーションも大きく変わります。僕にとってデトックスウォーターはそれだけ大切なんです(笑)。

12階にあるGMOアドマーケティングの執務エリアから、16階にあるGMO Yousまで往復およそ7分くらいかかります。出社後、GMO Yoursに行って、デトックスウォーターが売り切れていた時には、毎度「大切な7分を無駄にした」という気持ちになります……。

そこで、GMOアドマーケティングで実施している機械学習勉強会で学んだ知識と、最近流行しているChat GPTにコードを書かせて組み合わせたらデトックスウォーターの有無がリアルタイムでわかるようになるのでは?と思ったことが今回の発表のテーマに選んだきっかけです(笑)。

しかし、実はこのテーマに決定したのは、大会当日の10日前でした……。当初は全く別のテーマでの発表を考えていたんです。

ーどうして10日前にテーマを変更することになったのですか?

通常、発表当日の2・3週間前に発表テーマを運営に報告します。当初、僕はchromeの拡張機能とChatGPTを使用したテーマを考えていたのですが、他の出場者とテーマが被ってしまったんです!

直前までテーマを変更するかどうか悩みました。しかし、大会の10日前にテーマ変更を決意し、結果、日頃から気になっていたデトックスウォーターの有無をリアルタイムで判定するAIモデルを発表することにしました。僕は画像認識については全く勉強したことがなかったので、正直このテーマを決めた段階では実現できるかすらわからず不安がありました。

通常業務と並行して大会準備をするので、テーマを決めた後もすぐには着手できず、結局大会の3日前に始めて、資料が完成したのが発表の12時間前でした(笑)。


ChatGPTでAIモデルを生成

ーどのようにデトックスウォーターの残量を計測したか、くわしく教えていただけますか?

はい。まずは、デトックスウォーターがGMO Yoursのカフェカウンターに置いてある時と置いてない時の画像を集めます。その画像をAIに送って、学習させます。そして最終的に、AIに画像を判定してもらい、その精度が90%以上あったら成功という方針になります。画像収集に関してはChrome devetool、言語はPython、環境はGoogle Colaboratoryを使用しました。

ステップ①:大量の画像を集める
ステップ②:画像をAIに学習させる
ステップ③:画像をAIに判定してもらい、その精度を判定する(90%以上あるとよい)

ステップ①の画像収集に関しては、社内ポータルにあるWebカメラ(※)から2秒に1回の頻度で画像を収集してくるように、ChatGPTにコードを書いてもらって指示しました。

(※)Webカメラ・・・GMOインターネットグループには、全社のメンバーが閲覧可能な社内ポータルサイトで、GMO Yoursの営業状況をリアルタイムでみることができる。

環境はGoogle Colaboratoryを使用したのですが、機械学習にあたっての環境構築が必要なく、GPU(※)もすでに備わっているので、とても便利でした!そして画像分析モデル構築(CNN)を作って、学習データを送り、そしてモデルにデータを学習させるという一覧のコードも全てChatGPTに書いてもらいました。

(※)GPU・・・Graphics Processing Unitの略で、画像処理装置を意味する。画像を描写するために必要な計算を処理するもの。

学習データとテストデータの作成については、データのうち7割のデータで学習させて、残りの3割のデータで実際に学べたかどうかを確認を実施しました。そしてデータの正規化をおこない、実際にモデルに学習させます。その後テスト評価を実施し、最終的にデトックスウォーターの有無を正確に判定できるようになりました。ChatGPTだけで自分のAIモデルを完成させることに成功しました。


ーすごいですね!失敗もあったと伺ったのですが、教えていただけますか?

画像収集の際、当初は実際にGMO Yoursに行ってデトックスウォーターのある時とない時の写真を5,000枚ほど撮影し、Webカメラと同じ位置で撮ったかのように画像変形させ、そのデータをもとに学習させました。そして、Webカメラの画像を送って判定させようと試みたのですが、結果全て失敗してしまいました……。Webカメラの画角とカメラで撮った画像は違ったようです(笑)。

デトックスウォーターの写真を撮影する天河さん

ーこの研究に関して今後の展望はありますか?
はい!3点あります。まずは現在社内で利用しているビジネス用のメッセージングアプリslackに、デトックスウォーターの通知をおこなうこと。2点目はデトックスウォーターの有無だけではなく残量もわかるようにすること。最後は社内で共有してみんなが使えるようにすることです。

↑Photoshopで作成したコラージュ画像

ー発表で工夫した点はありますか?

エンタメ要素を入れることです。LT大会はエンジニア職だけではなく、エンジニア職以外のメンバーも視聴します。そのため、エンジニア主催の大会ではありますが、エンジニアの知識がない人にもわかるよう、専門用語を使用せず、テーマもわかりやすい身近なことに設定しました。

大会の前日には、エンジニアの知識が全くない芸人の友達に発表内容を全て聞いてもらいました。そしてわかりにくかった場所を指摘してもらい、修正しました。

またプレゼンの持ち時間は1人あたり8分ですが、8分間集中して話を聞くことは難しいと思います。そのため、まず最初に興味を持ってもらうためにプレゼンのタイトルを一番こだわって考えました。またプレゼン資料もユーモアな要素を入れるため、Photoshopでコラージュ画像を作ったりと工夫しました。視聴してくれている人が楽しんでもらえることを一番に考えてプレゼンをしました。

エンジニア同士の交流会

表彰式での一枚

ー表彰の後、懇親会もおこなわれたんですよね!

はい!懇親会では、お寿司などのお食事をいただきながら、交流をはかりました。また社長・役員も一緒にChatGPTを使った連想ゲームもおこないました。

■連想ゲームの方法■
ゲームの内容はChat GPTにお題をあてさせる連想ゲームです。たとえば、「パン」「手」という言葉を使用せずに「サンドウィッチ」と回答してもらうためのキーワードを3つ考えます。

エンジニア・非エンジニア関係なく楽しめるゲームなので、まだChatGPTを使ったことがない方もこのゲームなどをきっかけとして、ぜひ使ってみてほしいですね!

普段他の連結各社のエンジニアの方とお話しする機会はあまりないので、こういった大会を通してGMOアドパートナーズ連結企業各社の垣根を超え、コミュニケーションを取れて楽しかったです!

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は、半期に1度開催されるテックイノベーションLT大会にて、金賞を獲得したGMOアドマーケティングの天河さんにお話しを伺いました。

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Text & Directed by. Momoko Aoyama






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